香川県高松市の産婦人科です。子宮がんや卵巣がんや乳がん検診など

医療法人社団 くろべクリニック

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子宮頸がん検診

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因とされており、近年ではワクチンの開発が進められ、令和5年4月から9種類のヒトパピローマウイルス(HPV)対応型のワクチン『シルガード9』が承認されました。接種スケジュールについては年齢別に予定します。当院での接種を希望される方はお電話でご相談・ご予約して下さい。
検診の普及や治療の進歩で、子宮頸がんの死亡率はかなり改善されてきましたが、性の早熟化やフリーセックスの影響により10代からの若年者にも決して他人事ではなくなっています。

■症状・兆候

主に不正出血が初期の症状ですが、帯下の異常や全く無症状のこともあります。 性交経験のある方は、毎年子宮がん検査を受けるようにすすめています。

■検査方法

検査自体は簡単です。子宮の入口を綿棒や専用のブラシでこすって、細胞をぬぐい取ります。結果は一週間ほどで分かります。

■HPV(ヒトパピローマウイルス)

性行為により感染するため、女性の一生でだれでも一度は感染するとされています。ほとんどの方は自信の免疫力でウイルスを追い出す ことができますが、ウイルスが持続感染する方に子宮がん検査において疑陽性という結果が出ます。(クラスIIIと呼ばれています。)
この疑陽性とは、 細胞に異形成をおこした状態で、引き続き組織検査を行って詳しく調べます。

ヒトパピローマウイルスは100種類以上あって子宮頚がんになりやすいタイプはその中の約20種類(高リスク型)といわれています。
同じヒトパピローマウイルスでも低リスク型のものに性感染症である「尖形コンジローマ」があります。
子宮頚がんの原因ウイルスの6割はこの高リスク型のうち、16型と18型であることが分かっています。 現在、サーバリックス(ヒトパピローマウイルスワクチン:HPVワクチン)はこの16型と18型の2種類に対して、ガーダシル(HPVワクチン)は16型・18型に加え6型・11型に対しての予防効果があり(4価ワクチン)ます。さらに31型・33型・45型・52型・58型を加え9種類のHPVに対する予防効果がある9価ワクチンがシルガード9です。

子宮体がん検診

■症状・兆候

子宮頸がんとは原因が異なり、こちらは主に女性ホルモンと関係があります。
比較的中高年によく見られます。しかしながら、若い方にも「前がん病変」で見つかることがあります。
不正出血はもちろんのこと、月経血が多い、期間が長いなども注意すべき症状です。

■検査方法

不正出血などの症状がなくても、子宮が大きい・子宮内膜が厚いなどが注意すべき点であるため、場合によっては超音波検査を行い、子宮体がん検査の必要性を診るようにしています。
検査方法は、子宮内に専用のチューブを挿入し、内膜細胞をからめていきます。これも結果は一週間ほどで分かります。

卵巣がん検診

■症状・兆候

お腹にしこりがある・・・と自覚症状がある時は、かなり大きな卵巣腫瘍です。普段は子宮も卵巣も自分では触れません。やはり、産婦人科で超音波検査(特に経膣超音波)を受けることが一番良いです。
「しこり」のほかでサインになるのは、月経周期の乱れです。もともと不順ぎみの方もいますが、念のために超音波検査を受けておくと早期発見につながります。卵巣腫瘍の中には、薬物療法できるもの(チョコレートのう腫)もあり、早期治療が必須です。

■検査方法

まだ良いとも悪いとも言えない初期の卵巣腫瘍は、3~6ヶ月ごとの検診をすすめます。なかには、初めはおとなしそうな卵巣腫瘍でも数年たてば悪性転化するまれな症例もあります。
忘れずに定期検診を受け、自分の身体の変化にいち早く気づくことが早期発見につながります。この検査は、その日に存在診断(あるか、ないか)がつきます。ただし、便秘のひどい方は内診や超音波で所見が分かりにくいことがあり、日を改めて再検査するようにしています。

乳がん検診

一言にお乳といっても、個人差はもちろん、一人の女性を見ても、月経周期と関連して乳房痛がひどかったり、妊娠中や授乳期にもそれぞれに変化があります。
30~40歳代に多く見られる「乳腺症」は、まれに乳がん組織によく似ていることがあり、経過観察が必要です。閉経期を境に女性の乳腺はどんどん脂肪に置き換わっていきます。
乳がんが発見されやすい年齢は40~50歳と60歳前後にあると言われます。しかしながら、20~30歳での乳がんが無いわけではなく、若い人でも自分で乳房チェックをしたり、乳がん検査を受けておくことは大切です。

■一般に乳がんのリスクが高い条件
  • 家族に乳がんに既往の人がいる
  • 高齢初産である
  • 妊娠経験がない
  • 閉経が遅い(55歳以上)
  • 体重が標準体重の+20%以上
  • 喫煙歴がある
  • 乳腺疾患の既往
  • 乳がん手術後

などがあげられています。

乳腺の自己検診

乳腺の自己検診

毎月1回、月経終了後にお乳に関心を持ってください。
まず、左右の乳房の形や乳頭(乳首)の位置や形、乳汁分泌があるかどうか見てください。
血液の混ざる乳汁は要注意です。乳頭のへこみや皮膚のひきつれも見てください。
人差し指から薬指の指腹にて軽く押さえながら、乳房をなでるように滑らせます。正常の乳腺組織を挟んでしこりと勘違いしないようにします。このように自分でできる「がん検診」であり、意識を持つことが大切です。

■検査方法

現在、乳がん検査が触診だけでは不十分であることが分かり、特に40歳以上には、レントゲン検査(マンモグラフィ)と乳腺の超音波検査の併用がすすめられています。若い人や妊娠中の人には超音波検査が有効とされています。
当院では低用量(または超低用量)ピル服用中の方には定期的な乳腺超音波検査を行っています。

様々な乳腺疾患(乳腺炎・乳腺繊維症・乳腺症・乳がんなど)は、女性ホルモンとも関係があり、産婦人科医として病気の早期発見、そして専門医療機関への紹介をこれからも行いたいと思っています。

妊婦健診<

当院には分娩設備はありません。妊娠の確認を行い、妊娠指導を致します。さらに妊婦健診を希望される方は、最長妊娠32週までの健診を行っていますが、早めに高松市内の分娩施設へ転院することもできます。
また、里帰り先の病院へ移るまでの健診も可能です。

■よくある相談

予定の月経が遅れていれば、妊娠の可能性を考えてください。うっかり気付かず、薬を服用した、あるいはレントゲン検査を受けてしまってから後悔する人も少なくありません。
しかしながら、28~30日周期の人で予定の月経から7~10日の遅れで妊娠に気付いた場合、その時までの服用薬や胸部レントゲンはこの時期(胎児「臨界期」)にはほとんど影響が無く、心配はいりません。まずは薬の名前や服用した日付をメモして外来で相談してください。

妊娠4~5週 このころ、尿中妊娠反応が陽性となり、子宮に小さな胎嚢(たいのう)が確認されます。
妊娠6~9週 だんだん週数とともに大きくなる胎児の確認をします。超音波検査で心拍が見えます。
妊娠10~12週 最初の妊婦健診です。妊娠経過に必要な初期採血(多項目)と子宮がん検査があり、結果を母子手帳に記入します。
妊娠14週頃 2回目の妊婦健診です。胎児のほか胎盤が確認できます。
妊娠18週頃 3回目の妊婦健診です。性別が分かる頃になってきます。
妊娠21週頃 4回目の妊婦健診です。胎盤の位置異常がないか確認します。
妊娠24週頃 5回目の妊婦健診です。貧血や血糖値の異常がないかチェックします。ここからは2週間ごとの妊婦健診になります。
妊娠26週頃 6回目の妊婦健診です。胎児の発育異常がないかチェックします。
妊娠28週頃 7回目の妊婦健診です。HTLV-1抗体の有無や性感染症(クラミジア抗原検査)のチェックをします。
妊娠30週頃 8回目の妊婦健診と胎児の推定体重をチェックします。
妊娠32週頃 9回目の妊婦健診です。胎児心拍の流れを見るNST(ノンストレステスト)検査を行います。同時にお母さんのお腹への負担もかかりだす時期で、このNST検査で子宮収縮をモニタリングすることがあります。この時期の子宮収縮は切迫早産の兆候です。転院先病院への紹介状を作成します。

(妊娠34週頃から 転院先で妊婦健診を行います)